キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「けっ……!?」
いやいや……それよりも、確か実家には帰りたくないと言っていたな。傷心のまま兄の許を訪れたということか?
いつも明るくて沈んだ顔なんてほとんど見たことがなかったから気が付かなかった。
仕事の話をしていた時にほんの少しだけ茉緒の表情に影が差した気がしたが、職場の同僚だったのだろうか? だから仕事を辞めたのか? 気になる。
「でも、別れたばかりならまだ傷心が癒されてないのは当然だろ? なんで智成がそんな怒ってんだよ」
俺の怒り具合がおかしいと思ったのか陸翔が怪訝な顔をする。
「そりゃうなされて涙なんて流してるの見たら怒りたくもなるだろう? お前兄貴のくせに気にならないのか?」
「いや、気にはなるけど。茉緒もいい大人だし」
「お前は今女がいて忙しいからな、茉緒のことまで気が回らないんだろ」
意外と冷めたことを言うから嫌味を言ってやると狼狽える陸翔。
「いやいや、それ関係ないし。俺だって茉緒のことは心配してるし、智成には関係ないことだろ?」
関係ない、か。
ただの八つ当たりだと自覚してる。ここで陸翔と不毛な言い争いしてもしょうがない。
煩かったのか茉緒は目が覚めないまでも身動ぎして体を丸くした。
いやいや……それよりも、確か実家には帰りたくないと言っていたな。傷心のまま兄の許を訪れたということか?
いつも明るくて沈んだ顔なんてほとんど見たことがなかったから気が付かなかった。
仕事の話をしていた時にほんの少しだけ茉緒の表情に影が差した気がしたが、職場の同僚だったのだろうか? だから仕事を辞めたのか? 気になる。
「でも、別れたばかりならまだ傷心が癒されてないのは当然だろ? なんで智成がそんな怒ってんだよ」
俺の怒り具合がおかしいと思ったのか陸翔が怪訝な顔をする。
「そりゃうなされて涙なんて流してるの見たら怒りたくもなるだろう? お前兄貴のくせに気にならないのか?」
「いや、気にはなるけど。茉緒もいい大人だし」
「お前は今女がいて忙しいからな、茉緒のことまで気が回らないんだろ」
意外と冷めたことを言うから嫌味を言ってやると狼狽える陸翔。
「いやいや、それ関係ないし。俺だって茉緒のことは心配してるし、智成には関係ないことだろ?」
関係ない、か。
ただの八つ当たりだと自覚してる。ここで陸翔と不毛な言い争いしてもしょうがない。
煩かったのか茉緒は目が覚めないまでも身動ぎして体を丸くした。