キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
午前零時過ぎに智成が帰ってきた。
「おかえり、遅かったね」
「ああ、ちょっとトラブルがあってな」
どうやら智成もトラブルの対応で大変だったらしい、疲れた顔をしてる智成はネクタイを緩めながらソファーに座った。
「お兄ちゃんが言ってたニューヨークの話?」
「ああ、陸翔が帰って来た時に聞いたのか」
「うん、ちょっとだけ、詳しくは聞いてない」
「契約寸前だった相手先が急に難色を示したんだ。来週その契約のために陸翔がいくはずだったんだが、理由を聞いても電話じゃ埒が明かなくて急遽陸翔が行くことになった。俺も情報収集に奔走してた」
「そっか、大変だったね」
「ああ、後は陸翔が現地に行って話を付けてくるだろう。もう俺たちは待つのみだ」
ふうっと、深くため息をついた智成。
隣に座って智成を見ると眉間を揉んでまたため息をついた。
相当疲れたんだろう、早く休んだ方がいい。
「ご飯食べた? 時間も遅いから軽いものでも作ろうか? ああ、それより疲れてる顔してるし早く寝た方がいいよ。お風呂も沸いてるよ?」
「ふっ、甲斐甲斐しいな」

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