キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「ねえ、それで、智成と付き合ったらダメな理由は? 浮気するかもってだけ?」
「え? ああ、んん……親友と妹が付き合うとか、ちょっとやだな」
お兄ちゃんはそれは本心のようでちょっと嫌そうな顔をした。
「じゃあ、もし付き合いましたって言ったらどうする?」
「え? もしそうなったら智成のこと殴って親友やめるかも」
「ええっ? なんでそこまで」
そこまでしても私たちが付き合うのは反対なの?
あまりのショックにどよ~んと気持ちが暗くなる。
どうしよう、お兄ちゃんと智成が喧嘩するのは嫌だ。
でも智成と別れたくもない。
これは、お兄ちゃんに報告するのは難しそうだ。
「これは茉緒のためだから、お兄ちゃんの言うこと聞いておけよ」
「お兄ちゃん……」
ここぞとばかりに念を押され、私は隠し通すことを決めた。
智成にもお兄ちゃんに気づかれないようにしてもらわないといけない。
一緒に住んでいるからボロが出ないように気を付けなくては。
なんだか昨日までの幸福感が一気に消えて雲行きが怪しくなってきた。
どうなるの? 私たち……。
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