ミルフィーユ王子はキュン死しそう
私は、長い前髪で顔を隠しながら、
必死に頭を下げる。
「うるるんは、
僕と同じ高校の同級生でしょ?
友達として、もっと気楽に……」
「そんなわけにはまいりません。
雇い主のご子息なのですよ、
アメリ様は」
友達などという同レベルの扱いは、
おこがましすぎます。
それに……
「私と話している姿を見られたら、
アメリ様が
ご主人様に叱られてしまいますから!」
本音を言うと
『大好きなアメリ様と、二人だけ』
この贅沢な時間を、
もっともっと
堪能していたいところではありますが……
「学校に行くまでに
終わらせなければならない仕事が
ありますので……失礼します!」