ミルフィーユ王子はキュン死しそう



「幽霊と人間は、
 住む世界が違いますからね」



……誰?



「でも、ご安心ください。

 ウルは私が、
 永遠に幸せにして差し上げます」




僕の耳を襲う、ゆったり口調の嫌み声。


その主を確かめたくて、振り返る。



でも


僕が首を回すよりも、

男の移動スピードの方が、圧倒的に速くて。


まさに、瞬間移動そのもので。



瞳に捕らえた時には、

彼は満月を背に、夜空に浮かんでいた。


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