ミルフィーユ王子はキュン死しそう
うわっ!
お姫様抱っこ状態で、
うるるんの頭を撫でないで!
「人間のアメリには、
できないことでしょ?
フフフ~
半端ない優越感に浸れますね~」
にんまり笑いながら、
抱きかかえる眠り姫の鼻に
自分の鼻をこすりつけたギルア。
それが、求愛行動にしか見えなくて。
羨ましすぎて。
嫉妬がメラメラで。
「今すぐ、うるるんから離れて!」
僕はイライラ声と共に、
ギルアに手を伸ばしたのに……
「最愛の人に
触れたくなってしまう気持ちは、
アメリもよくわかるでしょ?」
ヒョイ。
ギルアはふんわりと舞い上がると、
そのまま
高い木の枝に飛び乗ってしまった。
悔しい。
本当に悔しいよ。
俺だって、うるるんに触れたいし。
体温を感じたいのに……