ミルフィーユ王子はキュン死しそう
うるるんを、左手一本で抱きかかえ
「一週間後のこの時間。
薔薇が揺らめくこのガーデンで
また、お会いしましょう」
満月を切り裂くように
大きなカマを振りほどしたギルアに
「えっ? 待って!
うるるんを連れて行かないで!」
慌てるように、僕は叫んだのに。
竜巻のような、爆風が吹き荒れて。
ガーデンの花びらが舞い上がって。
風が穏やかになったと
顔を上げた時にはもう、
死神は、姿を消していた。
もちろん
僕な大好きな子も一緒に。