ミルフィーユ王子はキュン死しそう
「えっと……
うるるん……」
僕の想いを
どんな言葉で伝えよう……
悩み続ける僕の耳に、
遠くから
怒鳴り声が飛んできた。
深夜の静けさを
切り裂くような金切り声。
僕の名を呼びながら、近づいてくる。
はぁはぁと、息を切らした彼は
ベンチに座る僕とうるるんの前に、
しゃがみ込んだ。
「あ~、もう。
ムダに広すぎなんだよ、この屋敷は。
そのせいで雨璃のこと、
探しまくったじゃねぇか」
「……桜牙」
彼には
うるるんが見えていないみたい。
桜牙は立ち上がって、
僕だけに、鋭い視線を突き刺しくる。
深夜0時はとっくに経過。
それなのに、そんなに慌てて
「なんでガーデンなんかに来たの?」
「オマエな、
あの女、どうにかしろって」
……えっ?