ミルフィーユ王子はキュン死しそう
「……アメリ様。
私は、このガーデンのお花として、
生まれ変わりたいです……」
「……なんで……お花なの?」
「だってここは、アメリ様が
初めて私に話しかけてくれた、
思い出の場所です。
それに……」
それに?
「お花が大好きなアメリ様ならきっと
とびきりの笑顔で、お花の私に
微笑んでくれると思いますから」
それって…
「もう僕は、
うるるんの笑顔が
見られないってこと?」
うるるんは、ゆっくり頷くと
「桃ちゃんのこと、
よろしくお願いします」
深く頭を下げ
まるで、お月様に
吸い込まれてしまったかのように
夜空にスーっと、消えてしまった。
これが
僕と、うるるんの
人間と幽霊の
叶わなかった、恋のお話。