ミルフィーユ王子はキュン死しそう
幽霊かぁ……
死んだ自分を、受け入れられなくて
ため息が止まらない。
もう私は、
アメリ様と言葉を交わすことも
触れることも
視線が絡むことすら、ないんだぁ……
いくら幽霊とは言え、今の私は
プライベート空間への不法侵入。
とりあえず
アメリ様のお部屋から、出なければ!
ドアノブは掴めなかったけれど
壁を通り抜けられるのかな?と、
恐る恐る足を出す。
でも、ドアで阻まれたように
これ以上、足が前に行かない。
アメリ様のお部屋から出られない
この状況。
どうしていいかわからないと
立ちつくしているだけで、
片思いの心残りが
どんどん膨らんでしまう。