迷いの森の仮面夫婦

私の好きな香りのハンドソープからボディソープ、入浴剤にルームフレグランス。
そして私の好きな食べ物や飲み物。 二人でよく飲んでいたお酒まで。
細々とした物は、私の好きな物を熟知しているラインナップだった。

そして、洋服やハンカチ。 パジャマやこれから使えるマフラーや手袋なんていうものもあった。

比較的プチプラの物が多かったけれど、普段から私の趣味を知っているような人じゃなきゃ買えない物ばかりだ。

「ええーっ…全部可愛いし、どうして私の好きな物ばかり…」

「そりゃだてに半年雪穂の夫やってないよ。 雪穂の好きそうな物位分かってるつもりだよ。
でもここからは、実は凪咲のアドバイスを受けた。
雪穂ちゃんはこれが似合うとか、こういうブランドが好きだと思うって。 俺、女の子のブランドには疎いからさ……」

「凪咲さんが選んでくれたの?! って…うわあ、これすっごく高かったでしょう?」

中からは女の子ならば誰でも好きであろう、有名ブランドのバックと靴が入っていた。
淡いピンク色のショルダーバックと可愛らしいデザインの黒いスニーカー。
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