迷いの森の仮面夫婦
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突然雪穂が俺の前から姿を消した。
電話には出ないし、メッセージの返信もない。
今までだったら職場に行けば会えたものだが、ちょうど彼女は幕原病院を退職したばかりだったのだ。
離婚届は取り合えず俺の手の中にあり、保留している所だ。 病院にも、家族にも言っていない。
とにかくもう一度彼女と連絡を取り、話し合いをしたかった。 どうして突然出て行ったんだ?俺との結婚生活が嫌になったのか、それとも忘れられないといっていた男の所に今いるのだろうか…。
そんな事はどうでもいい。 もう一度、どうしても会いたかった。
「りこ…離婚って!!!」
「シッ、凪咲声がデカい。 知り合いにでも会ったらどうしてくれるんだ」
「こんながやがやしてる居酒屋で、知り合いに会ったとしてもうちらの話なんか聞いちゃいないわよ」
突然雪穂が俺の前から姿を消した。
電話には出ないし、メッセージの返信もない。
今までだったら職場に行けば会えたものだが、ちょうど彼女は幕原病院を退職したばかりだったのだ。
離婚届は取り合えず俺の手の中にあり、保留している所だ。 病院にも、家族にも言っていない。
とにかくもう一度彼女と連絡を取り、話し合いをしたかった。 どうして突然出て行ったんだ?俺との結婚生活が嫌になったのか、それとも忘れられないといっていた男の所に今いるのだろうか…。
そんな事はどうでもいい。 もう一度、どうしても会いたかった。
「りこ…離婚って!!!」
「シッ、凪咲声がデカい。 知り合いにでも会ったらどうしてくれるんだ」
「こんながやがやしてる居酒屋で、知り合いに会ったとしてもうちらの話なんか聞いちゃいないわよ」