迷いの森の仮面夫婦
久しぶりに見た海鳳に思わず涙がこみ上げそうになる。 …久しぶりとは言っても僅か二週間しか時間は経過していないのだが…。
少しだけ痩せた?何か顔色も悪い気がする。
元々’超健康!元気!熱血!’ってタイプの人間じゃなかったけど、少しだけ頬がこけてしまったようにも見える。
せっかくのイケメンが台無しだよ。 なんて心で突っ込みながらも、私と海鳳は狭い占いの館で向き合うのだ。
それは傍から見れば異様な光景だ。
「おひ、お久しぶりですねっ…早乙女さん」
思わず噛んでしまう程動揺していた。 今度こそバレるかもしれない。そう思い出来るだけ低い声を出そうとする。
「お久しぶりです。もう来ないって言っていたのに、突然の予約申し訳ありません。
先生も引退するって言ってたし、もういないかなぁとは思ったのですが」