迷いの森の仮面夫婦

本当は欲張りだったくせに。
海鳳と一緒に過ごせば過ごすほど、どんどん好きになっていって色々な事が知りたくなるのに
彼の瞳に映るのが自分だけであればいいと願ったくせに

お互いに愛さないなんて約束、最初から守れていない。 だって始めから私はあなたをあんなにも愛していたのに。

「あのー…別れそうなんですか?タロットにはそう暗示されていますが…」

てゆーか、海鳳!まだ離婚届け提出していないのかな…。
顔を上げると、海鳳は困った様にブラウンの瞳を揺らした。

「もしかしたら別れる事になるかもしれないです…。 俺に何も言わずに離婚届を置いて彼女出て行ったから。
俺が情けない男だから、いい加減愛想つかされたのかもしれませんけど…」

「いや!それは違う!!!!」

「アイリーン先生?」

「ちが…。それは違うと思います…。
早乙女さんが嫌だったとか、不満があったから彼女は出て行ったのではありません。
何か……理由があったのかもしれません…」
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