迷いの森の仮面夫婦
「ありがとう、愛莉…」
愛莉にお礼を言って、海鳳と二人で占いの館を出て行く。
まだ夢でも見ているようなふわふわとした感覚だった。
抱き合ったり、キスをしたり、散々してきたくせに改めて手を繋いで街を歩くと照れくさい。
それは互いに想いが通じ合った初めての日だったからなのか。
海鳳と居る時はいつもどきどきしたりキュンキュンしたりするけれど、今日はいつも以上に愛しさが溢れている。
繋がれた手の指先から、好きな気持ちが溢れ出しそうで照れくさい夜だ。 そして、今日から私達の本当の始まりの日だ。
「私の事いつから好きでいてくれたの?」
そんな質問自意識過剰だって分かってたのに、知りたくて知りたくて仕方がなかった。
少し考えた後に海鳳は顔を上げて答える。
「いつの間にか?」
「何それ…!答えになってない…」