迷いの森の仮面夫婦

「占いに縋るのは、救いを求めている人が世の中には多いからよ。
そう考えたら雪穂は案外目的がはっきりしていて、自分の意思を強く持っているからさっぱりしてるわね。
まあ、ストーカーだけどさ」

最後の一言は余計…!自分でも引いちゃう位だけど。
それでもストーカーはないでしょう?

影で彼の事色々と調べてはいるけれど、実害があるわけじゃないし。

プチストーカーだとは思うけど、身の程はわきまえている。 無言電話をしたり自宅の前で待ち伏せをしたりなんて、犯罪級の事には手を染めちゃいない。

「ストーカーじゃないもんっ!ぷ、プチストーカーだよっ!」

「そんなに好きなら玉砕覚悟で告白しちゃえばいいのに…。
それでこっ酷く振られたら初恋の呪いも解けるかもよ?」

「玉砕しちゃ意味がないの!」

「運が良ければ一度位夜を一緒に過ごせるかもよ? 目指せ!脱処女!
案外さっぱりして他の人と付き合う気になれるかもよ?」

「そんなの絶対に嫌っ!!!」
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