かわいい彼は吸血鬼(仮)【期間限定公開のはずだった】
時は回ってお昼。
机の上でくたっとなっている浬を叩き起す。
「浬、早く行くぞ」
途端にパァっと明るくなる顔。
「うん!!」
そんなに腹減ってたのかよ。浬と2人でさささっと教室か
ら抜け出し、屋上を目指す。
人に会うと厄介なので端を歩く...があまり効果はない。
「かいなつコンビだぁ!どこ行くのー?」
いや。なんやねん。どこでもいいだろ。
歩く先々で声をかけられる。うざぁ...
「先生に呼ばれて急いでるんで、失礼」
聞いてくる奴全員に同じ返答を返し、目的地へと足速に
歩く。
そろそろ浬が限界そうだ。
ガチャ、やっとの思いで屋上につく。
「ハァ...な、なっちゃん...僕そろそろ無理...」
「んなの分かっとるわボケ」
限界であろう浬に大人しく制服のリボンを外して首を差
し出す。
...プツッ
首に走る痛みに顔を歪める。といっても一瞬だけ。
あとは甘さしか感じられない。本当に頭が溶けるんじゃ
ないかって思うくらいふわふわする。
まじどうなってんだよ...
2人だけで昼飯を食うのも浬の昼食のため。