かわいい彼は吸血鬼(仮)【期間限定公開のはずだった】
「1日 」 in school
朝から賑わう教室に足を入れれば、みんなの視線がこち
らへと向く。
「おはよー!」
こちらを見た人達が満面の笑みで挨拶してくる。まった
く朝から元気なものだ。
「はよ。」
「おはよぉー」
返事を聞いて更に輝く笑顔。みんなが言うに、私たちは
『眼福』らしい。かっこいい私にかわいい
浬がくっついているのは萌えるのだとか。...意味わから
ん。
苦笑いで席へと向かう。そこで浬とは別れ...ない。今の
私と浬と席は隣。というか、隣以外なった
ことがない。呪いでもかかってんのか?
「夏おっはー!なに眉間皺寄せてんのよー」
ハイテンションで現れたのは友達の咲坂 葉名璃 (サキサカ
ハナリ)。今日も安定のお団子だ。
「いやぁ、やっぱりこの席、呪いでもかかってんじゃね
?って思って」
「んな訳ないじゃん!」
真剣に語る私に大爆笑しながら答えるハナ。...なんか
ムカつく。
「あ?〆るぞおら」
ハナの顔をアヒルみたいにつぶす。そのままぷにぷに
遊んでいると
「ん。」
浬が謎に顔を差し出してくる。
「んー。」
何!?『んー。』とは!?
「んーってばぁー」
「だから、んーって何だよ!?」
「え、僕の顔もいいよってことしかないじゃん。」
!!!!!?????!!!!!?????!!!!!
何を聞いてるんだ、という顔で見つめてくる。いや...
「知らんて!!しゃべろや!」
「だって...なっちゃんならわかってくれると思ったんだ
もん。」
うるうるした目で見つめてくる。いや、本当に、かわい
い顔って罪。