言いましたが、 違います‼︎
呼ばれて顔を出した坂本さん。
何故、机の下から顔を出す。
私はニコッと笑い、手招きをする。
少し離れた所で心配そうにこちらを見ているサイボーグ葉山。だから、何もしないわよ!
の意を込めていつもより、少しだけ大きな声を出す。
「今度の土曜日に三枝さんたちとホテルランチをするんだけどぉ、一緒に行きませんかぁ?」
と声をかける。
「行きます」と目を輝かせて言う事なのでしょうか?
私の後ろにいる三枝さんにも「ご一緒させて下さい」とお礼を言っている。
サイボーグ葉山は不服そうだ。
きっとどこかに行こうと勝手に計画を立てていたのだろう。
言わないあんたが悪いのよ!
なんかいい気分。
気を良くした私は、三枝さんの方を見て「あと1人ですよねぇ?」と確認する。
三枝さんが頷くのを見てから、首を傾げながら
「先生でもぉ、誘ってみますかぁ?」
と爆弾を一つ落としてみる。
「先生?」
「はい。山神 サト先生」
「えっ」と坂本さんのテンションが上がるのと、
予想外の名前が上がって専務と葉山さんが作業を止めこちらを見た。
それにはすぐに気づいたけど、あえて気づかないフリをしながら三枝さんと話を続ける。
「翔さん経由で連絡すれば来そうじゃないですかぁ。
女子会の取材が出来るってとか言ってウキウキしながら来そうですよねぇ」
「根津、あんた翔さんの連絡先知ってるの?」
「はい。ちょっと聞いてみますねぇ」
「ちょっと」とサイボーグ葉山の声が聞こえたが、すかさずスマホを取り出し電話をかけた。
山神 サト。翔さん。と聞いてすぐに誰かわかるのは流石です。
でも、ここは気づかないフリ。