言いましたが、 違います‼︎
永太郎が駆けつけた時には、既に全てが終わっていて。
私に寄り添い続けた慎太郎は私の隣でスヤスヤと眠っていた。
「役立たず」
私の第一声に怯む事なく、平然と永太郎が言う。
「本当はすぐに目当ての写真が撮れたんだけど、もっといいものをって粘っちゃって。
でも、やっぱり最初の写真を超えるモノは撮れなかったよ」
「はぁ?」
ドスの効いた声が出る。
「そんなのどうでもいいし。ってか、何?
すぐに終わったのなら、すぐに帰ってきなさいよ。
何ねばってるのよ、バカじゃない」
「イヤ、そこはより良いモノを求めるのがプロでしょ‼︎」
手を上下に動かしながら、力説を永太郎。
「通常時はそうかもしれないけど、今じゃないでしょ。
あんたは心配じゃなかったわけ‼︎」
なんだこの会話は。デジャブかなにか?
永太郎の後ろに三枝一家と翔さんがいる。
「お取り込み中、ごめん」
申し訳なさそうな三枝さんの顔を見てニコッと笑う。
「ちょうどいいところに来てくださいました‼︎
そこにある慎太郎のリュック取ってもらえませんか?」
「お邪魔します」と三枝さんが手を伸ばす。
何かを察知した和さんと翔さんが「子供達と・・・」と席を外そうとするので、すかさず
「3人はそこに並んで下さい」
と永太郎の隣に立つように指示をした。
心当たりがある2人はオズオズと永太郎の隣に並ぶ。
何が起こるか不思議そうな顔の三枝さんに
「中身を見てくださいよぉ」
と訴える。
リュックを開け中を確認する三枝さんが固まる。