言いましたが、 違います‼︎
警察関係の親を持つ身として、警察関係の職に就くと考えていた。
でも、どうもしっくり来なかった僕は、大学に入ると同時にのめり込んだ写真を撮りに世界中を飛び回っていた。
上辺だけの会話、心にないお世辞。
誰も本音を話さないし、誰にも話せない。
心の奥底を誰も見せない会話の応酬。
そんなものは一切ない世界に魅了されていく。
貧しい農村、貧困地域、紛争地帯
普段目にせずに生活していた世界を皆に届けたい。
この世の中で、蓋をして来た場所にスポットを当てたい。
真実を自分のカメラに映し出したい。
屈託のない彼らの笑顔を世界に届けたい。
時折、帰国し家に帰っても、自分がいない家族がそこにある。
ここは僕の家じゃない。僕の家族じゃない。
その思いが、家から足を遠ざける。
ほどんど日本にいない僕は、
倉庫がわりに格安アパートを借りると、
より一層実家に帰らなくなった。
いつ壊れるかわからないアパートでも、彼らに比べたらなんて幸せなんだろう。
今こうして、アパートの床で大の字になている間に、彼らはどうしているだろうか?
飢えや爆撃で死んではいないか。
その中でも、屈託のない笑顔で今を生きてる彼らに会いたくて足繁く彼らの元へ向かう。
それは麻薬のようなものだ。