言いましたが、 違います‼︎
第1章
毎日近くにいて、甲斐甲斐しく世話をやく。
「おはようございます」
と挨拶すれば、他の人には返事もしないのに私には「あぁ」と返事を返してくれる。
同時の子にも、後輩にも羨ましがられた。
私はここでも特別な女の子。
そんな特別な女の子が、特別でなかったと知った時の衝撃は凄まじまった。
須藤 智(スドウ アキラ)専務の結婚。
私のものなのに!
ショックで喉も通らない。
相手は山野(ヤマノ)家のお嬢様。
私の家だって、そこそこのお家柄だけど、山野家とは格が違う。
すぐに会社の為だとわかった。
可哀想な智さん。
山野の娘といえば、学校の先輩だった彩華(アヤカ)さんだと思っていた。
才色兼備で、全ての生徒の憧れだったお方。
彩華さんになら仕方がないし、お似合い。
勝ち目がない。仕方がない。
そう思った。
でも、いた記憶にない彩華さんの妹さんが智さんの相手だった。
誰それ?
そう思った。
彩華さんには多くのファンがいて、情報はすぐに手に入る人物です。
お兄様がいる事はもちろん知っていました。
よく言えば華やかな人。悪く言えば、女好き。
いくら私と釣り合いが取れても、この私が女の影に悩まされるのなんて真っ平ごめんです。
妹さんの情報もなんとか手に入りました。
地味で目立たない。二人の妹と言われなければわからないレベルの人だそうです。