言いましたが、 違います‼︎


三枝さんが言った通り、
永太郎は帰って来ず朝を迎えた。

なんでも容量良くこなして来た私はすぐにオムツの交換も授乳も、ゲップ出しも出来た。

余裕。
私は良い母親になれる。

そんな自信まで出て来た。

だが、眠い。

山登りをして、体力を根こそぎ持っていかれている状態からの徹夜は辛い。

腕の中でスヤスヤと眠る慎太郎につられ、ウトウトする。


ピンポーン


ドアベルの音で起こされる。
ようやく寝たはずの慎太郎も目を覚まし、
ぐずり始めた。


最悪だ。
ようやくなのに!やっとなのに!
今 何時だ?

時計を見る。

これでくだらない用件だったら、
マジで殺してやる。

重い体をなんとか動かし、
インターフォンを覗き込む。

爽やかな笑顔の永太郎が立っていた。

マジで殺してやろうか?
殺意が湧く。

永太郎に慎太郎を渡す。

永太郎が私に何かを言っている。
だけど、眠気で何を言っているかよく聞こえない。

眠気で思考回路がおかしくなっているに違いない。

とりあえず、なんでもいい。
いいから、寝かせて下さい。

「あんたに任すわ」

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