言いましたが、 違います‼︎
6-1
心地よい重みと美味しそうな匂いで目が覚める。
どうやら、限界を迎えた私はソファに座ったまま寝てしまった様だ。
この心地よい重みはなんだろうと下を見ると、私の腕の中で赤ん坊が眠っていた。
目を見開く。
辺りを見回せば間違いなく私の家。
キッチンには男の人が立っている。
腕の中には子供。
私、いつの間にこんな幸せそうな家庭を持った?
今までが夢だったのか?
それともまだ夢の中なのか?
寝起きで思考がついて来ない。
「起きたか?ちょうどご飯出来た出来たよ」
振り向く永太郎。
グズグズと起き出す慎太郎。
その様子を見た永太郎が
「お前もご飯だな。今作るから待っててね」
と急いそと動く出す。
絶叫しなかった私を褒めて欲しい。
アワアワとしていると慣れた手付きでミルクを作ってきた永太郎が私にミルクを渡す。
慎太郎にミルクをあげているとゆっくりと思考がクリアになって来た。
「な、なんであんたがいるのよ‼︎」
ようやく発する事が出来た。
「なんでって、僕言ったよね?」
出来立てのうどんをテーブルに置くと、
「変わるよ」
と慎太郎を抱っこした。
「伸びるから食べちゃいなよ」
お出汁のいい匂いに、お腹が鳴る。