言いましたが、 違います‼︎


「だから、美紗都(ミサト)ちゃんに言われた通り掃除をしてたら、大家さんが来て“アパートの取り壊しする事になったから、出てって欲しい”って言われたって」

ところで、ご両親は?一人暮らしだよね

何、質問したのに質問するのよ!

そう思っても、
美味しいうどんのせいで口が軽くなる。

「一人で悪い?」
「悪くない、全然悪くないよ。
でも、ここファミリータイプのお家だなぁって」

思ってと永太郎は家の中を見渡した。

汁まで美味しく頂いた私は、
器をテーブルにドンっと置いた。

「このテラスハウスは私の父が所有しているの。
一人暮らしするって言ったら、ここを使うように言われて住んでるの。
なんか文句ある?」

器用に慎太郎を片手で抱っこした永太郎が、ないないと手を振る。

おうどんで体が温まったからなのか、頭が働き始めた。

「それとこれ、どう関係があるのよ‼︎」
「だって、せっかく言質取ったのに、ダメって今更言われてもねぇ」

永太郎はスマホを取り出す。

[家が取り壊しするって、だから当面に間ここに住まわしてよ]
[あんたに任すわ]

永太郎のスマホから聞こえる声は確かに私の声だ。
そんなような事を言った気もする。

でも、なんの話をして

[あんたに任す]

と言ったのかまでは覚えていない。

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