言いましたが、 違います‼︎
「軽く言うからさぁ。一応、撮っておいてよかったよ」
なぁと慎太郎に言い、
「よろしくお願いします」
と慎太郎と共に頭を下げた。
「はあぁ?いいわけないじゃない‼︎こんなの無効よ‼︎」
「でも、もう荷物運び入れちゃったし。
即退去で大家も大喜び」
永太郎がリビングの一画を見る。
そこには幾つもの段ボールが置いてあった。
「マジ?」
そう呟くと「マジマジ」と永太郎も同意する。そして、またスマホをかざす。
[今のうちに手続きも済ませちゃいたいから、慎太郎の事お願いできる?」
[あんたに任すわ]
また私の声が流れる。
私の声だが全く記憶にない。
永太郎を見るとニヤニヤしながら、「証拠もバッチリ」と笑っている。
本当にムカつく。
「で、どれだけ預かるの?」
嫌だが、言った手前後には引けない。
永太郎は一本の指を上げる。
「1時間?1日とは言わないわよね」
ニヤッと笑い「1週間」と言い切る。
冗談じゃない。
私だって暇じゃないのよ!
そう反論すると、
[どうせ無職で暇してますよ。文句ある?]
[大助かりです。では、よろしく]
再生してみせる。
言った記憶すらない。