言いましたが、 違います‼︎


「ちょっとタイミングが悪くてね。
寝そうな時にうちの子がグズって、寝てる根津に抱っこさせたら、すぐに寝たのよ」

ちゃんとお母さんしているよ

そう褒められた様でなんだか嬉しくなる。

「さぁ、今のうちに真面目な話をしておきましょう」

三枝さんが私の隣に座る。

「まず、根津。あなたはどうしたいの?」


真剣な眼差しで見る。
私は目を瞑り深く深呼吸をする。

「わかりません」

三枝さんの目を見てはっきりと言う。

「ゆっくりと考えるつもりで山に行ったはずなのに、こんな状態になってしまって。
そうしたら、いいか自分でもわかりません」

でも、しっかりと慎太郎の行く末を見届けたいって思っています。

乗りかかった船船なんで

私が苦笑いをすると、

「前の根津より今の根津の方が私は好きよ」

いい顔してる。
人ってこんなにも急に変われるものかとビックリするぐらい。

と、三枝さんはニコッと笑ってくれた。


何が変わったのかよくわからないけど、
今の自分の方が楽な事だけはわかった。

私はまた深く深呼吸をして、
「よし」と気合を入れた。

< 34 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop