言いましたが、 違います‼︎


たまたま旦那が早く帰ってきて、
事なきは得たみたいだけど、最低よね。

その時、声をかけてくれたのが須藤専務で、
気分転換にもなるから復帰しないかって言われたの

どこか遠くを見ている三枝さん。
だから、あんな事を言ったのかと思った。

「根津もこのまま慎太郎君に関わっていく気が少しでもあるなら、
今の会社にいた方がいいよ。

育児にここまで関心がある会社なんてそうそうないし、
専属から外れたから時間の都合もつけやすいしね」

少し意地悪そうに話す三枝さん。

前の私なら、嫌味を言われたと憤慨した。
でも、今は「そうですね」と素直に言えた。

あの時、私はなんであんな事で必死になっていたのだろう?

不思議に思えた。

1週間も立ていない出来事なのに、かなり昔の出来事の様に感じた。

「さぁ、時間は有限よ。食べたら、さっさとやってしまいましょ」


ゆっくりと陽が落ち始めた時には、
あらかた片付け終わり、
後は永太郎の荷物を部屋に押し込みだけとなった。

リビングで慎太郎と暮らすに当たって必要なモノをスマホでポチッと購入していると、三枝さんのスマホが鳴る。

旦那さんが到着した様だ。

スパニエル系の可愛らしい人だった。

子供好きそうで、子供からも好かれるそんな感じの人だった。

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