言いましたが、 違います‼︎
バカにされている。
これは間違いなく鼻で笑われている。
「学生だったら、辞めれば終わる。
でも、社会に出てのマウンティングは、転落したら最後なんですよ。
同じ業種では働けなくなります。そりゃそうですよ。ライバル同士でも話は通じてますから。噂はすぐに流れます。
問題を起こした人間を好んで働かせる会社なんて僅少です。それでもマウンティングして優位に立とうとする。
最高の参考資料です」
違う!
私がしていた事は、道を正そうとしただけ。
マウンティングなんかじゃない!
そう言おうと思ったけど、自信に満ち溢れた若い子に言い返す言葉が出て来ませんでした。
私は間違ってない!
私は間違った事などない!
そう言い返したかったし、言い返そうとしました。
でも、目の前で繰り広げられる智さん達のやり取りを聞いていると、私の一方的な考えだった。のか?
何が正しかったのか?
よくわからない。
作家?編集者?
地味女が山神(ヤマガミ) サト?
そんなの聞いてない!
颯爽と立ち去る智さん。
取り残された私達。
秘書の葉山(ハヤマ)さんが、大きな音で手を叩く。
そこでようやく我に帰った。
私は間違えたんだ。
相談し、励まし、協力してくれた仲の良いお友達と思っていた子達が、私のせいだと言う。
私は切り捨てられたんだ。