言いましたが、 違います‼︎


サイボーグ葉山のパソコンは機密の宝庫。

通常ではあり得ないのだが、専務付きの任を解かれた私には軽い物の様に思えた。
それ以上、重たい物が腕の中にいるからかもしれない。

「大変そうだねぇ」

慎太郎に話しかけながら、三枝さんたちの結論を待つ。

[根津。今から会社に来て]
「えっ、やですよ。簡易メイクしかしてない、お気軽散歩スタイルなんですよ。嫌です」
[慎太郎君も一緒なんでしょ。
誰もあんたの顔なんて見ないわよ]
「社員証も持ってないし、
慎太郎の荷物だってお出かけ用じゃないんですから、ムリです」

全力で拒否をする。

三枝さんは不敵に笑う。

[全部こっちで用意しとくから、つべこべ言わずに来なさい]

そう言い切ると電話が切られる。

「はぁ」
と言いつつ、会社に向かう。

向かう間に、頭の中のスケジュール帳を確認する。

来る前にオムツ交換とミルクは済ませた。
替えのオムツは1枚。
三枝さんに文句を言ってすぐに帰れば何とかなる。

慎太郎、頼むよ。

頬っぺたを撫でればまたむしゃむしゃと眠りにつく。



会社の前まで行けば、
三枝さんが大きく手を振って私を迎えてくれた。

「慎太郎君。今日も可愛いねぇ」

もう一度言う。私を迎えてくれた。はず

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