言いましたが、 違います‼︎


「時間があまりないんです。お願い出来ますか?」

声がする方を見ると斉藤部長が微笑みながら立っている。
自然と背が伸びる。

「はい」

慎太郎君の事は私に任せて
と名乗り出てくれた三枝さんに慎太郎を託す。


私は斉藤部長と坂本さんの後を追った。

パソコンは簡単に開き、
データを斉藤部長が確認する。

その間に、坂本さんから様々な質問がくる。

「っていうか、質問多すぎじゃない?誰が指導してるの‼︎」

坂本さんは、オズオズをスマホを私に差し出す。
差し出されたスマホを見ると、サイボーグ葉山からの指示がびっしりと書いてあった。

「あの男ぉ」

自分が使っていたパソコンを開く。

「これ、日誌だから。これ見れば流れがわかるから参考にして。
それから、このファイルには顧客データ。
こっちが資料を頼まれた時のフォーマットと注意事項一覧」

もう私のじゃないから、パスワードは適当に変えて。

パスワードを紙に書き渡す。

ただそれだけで、泣きそうな顔をしないで欲しい。

「彼らは人間じゃないの‼︎サイボーグなの‼︎
5の仕事を言われて5こなすと6。6なれば7って際限なく増えてくの‼︎
だから、自分で制御しなきゃダメ。
優先順位を付けて、仕事は5で収まるようにしなさい」

はっと我に返る。
坂本さんと斉藤部長がキョトンとしている。

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