言いましたが、 違います‼︎


三枝さんが申し訳なさそうに

「あまりの可愛さにみんなが抱っこしたいって言い始めて」

みんな?と首を傾げると、三枝さんがドアを見る。
女性社員をはじめ多くの人が申し訳なさそうにこちらを見ていた。



慎太郎の顔を見る。

「眠いだけだと思います」

トントンと優しく背中を叩けば、慎太郎の瞼がゆっくりと閉じていく。

「ちゃんと泣けるんだねぇ。よかったねぇ」

と慎太郎に囁く。
ニッコリ笑ってそのまま寝た。


ホッとする私に三枝さんが「泣かないの‼︎」と驚いた様子を見せる。

「ぐずって泣く事はありますけど、ここまで大きな声で泣いた事がないので、安心しました」

私の様子に、三枝さんは優しく肩に手を乗せた。

「ネットで調べたんですけど、あまりいい事書いてなかったので、見るのやめちゃって。心配してたんです」
「それが正解よ。心配なら一度見るように言っとく」

三枝さんが私だけに聞こえる声で言った。

「お願いします」と私も三枝さんにだけ聞こえる声で言う。

「三枝君、ついでに託児所に案内してあげて」


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