言いましたが、 違います‼︎


「それはよかったわね。で?」
「本当はすぐに目当ての写真が撮れたんだけど、もっといいものをって粘っちゃって。
でも、やっぱり最初の写真を超えるモノは撮れなかったよ」


「はぁ?」

今まで出した事のない低くドスの効いた声が出る。


「そんなのどうでもいいし。ってか、何?
すぐに終わったのなら、すぐに帰ってきなさいよ。
何ねばってるのよ、バカじゃない」
「イヤ、そこはより良いモノを求めるのがプロでしょ‼︎」

手を上下に動かしながら、力説をするんじゃない。

「通常時はそうかもしれないけど、今じゃないでしょ。
あんたは慎太郎が心配じゃなかったわけ‼︎」

なんだ?このやりとりは。
不毛だ。


私は深くため息をつきながら、
椅子に体を沈めた。

ようやく私が言いたい事がわかったのか。

永太郎はニコッと笑った。

「美紗都ちゃんがいるから大丈夫」

自信満々に言う永太郎。

「その自信はどこからくる?」

ため息が止まらない。

「僕は自分の直感を信じるタイプだから♪」
「知らないよ」

間髪を入れずにツッコむ。

私こそ考えてから物事を言うタイプなのに、永太郎には、考えなしにポンポンと言葉が出てくる。

「でも、大丈夫だったでしょ。
さすが美紗都ちゃん」

箸を握り締めた。このまま投げつけてやりたい。

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