言いましたが、 違います‼︎


恥ずかしすぎる。
誰もいないと思って歩いていた。
思っていたことが声に出ているとは思わなかった。

「アンドロイドだっけ?
機械と一緒に仕事するのは大変そうだねぇ」
「サイボーグよ‼︎」
「同じ様なものじゃなかった?」
「アンドロイドは人造人間。サイボーグは改造人間よ‼︎
それぐらいわかりなさいよ」

「いやいや、普通知らないよ‼︎じゃぁ、バッドマンは?」
「バッドマンは生身の人間よ」
「嘘ダァ」
「バッドマンは化学を武装しているのよ‼︎
ってなんの話をしてるのよ‼︎違うでしょう‼︎」

「違わないよ‼︎そこ重要だからね‼︎
テストに出るぐらい重要」

キリッと永太郎が言えば「そもそもなんのテストよ」呆れ顔で答える。


いつのまにかテーブルの上は食べメインから飲みメインに変わっている。

「なんでそんなに詳しいの?」
「父よ」

「お父さんそういうの好きな人?」
「そういうの?知らないわ。
ただ小さい頃から、ロボット系のモノは見せて貰えなかったわ」
「なんで?」
「機械が感情を持って、自主的に行動する世界なんて、恐ろしくて仕方ない。
また自らが機械のなろうとするサイボーグの方が救いようがある。だったかしら」

「何それ‼︎最高ぉ‼︎お父さんとゆっくり飲みたい」
「何勝手に人の父親をお父さんとか言ってるのよ‼︎私の父であって、
あんたの父親じゃないんだからね‼︎」

「美紗都ちゃんと結婚すれば僕のお父さんになるじゃん‼︎」
「なんで私があんたと結婚しなきゃいけないのよ‼︎」

こっちから願い下げよ!

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