言いましたが、 違います‼︎
そう反論しても、永太郎は相変わらず豪華に笑っている。
「えぇ〜‼︎お父さんは今どこに住んでるんの?」
「那須よ」
「だから、行かない限り会えないわよ」
「こっちに顔出したりしないの?」
「生死に関わる事以外来ないわね。向こうで、ブリーダーぽい事してるみたいだし、簡単には来れないわよ」
「ぽいって(笑)」
「保護したり、看取ったり?色々よ」
「今度、慎太郎連れて行こうよ‼︎絶対、楽しいって‼︎」
「確かに慎太郎には良いかもしれないわね。動物と触れ合うと免疫力が高まるっていうし」
「だろ‼︎行こう‼︎いつ行く?」
「なんで、あんたが行く気満々なのよ」
「慎太郎が行くなら、僕も一緒でしょ」
父親なんだから、と腰に手を乗せながら言う。
父親らしい事何一つしていないくせに偉そうだ。ムカつく。
「慎太郎ぉ。楽しみだねぇ」
静かに寝ていた慎太郎を抱き上げる。
起きるじゃないか!止めて!
と手が出ても後の祭り。
突然知らないおっさんに起こされた慎太郎が泣き始める。
言わんこっちゃない。
頭を抱えながらも、永太郎から慎太郎を取り上げる。
「その前に慎太郎に父親として認めてもらう事が先の様ね」
まだグズグズと泣く慎太郎をあやしながら、永太郎を睨んだ。