言いましたが、 違います‼︎
「で、最近どうなの?」
一人でお弁当を食べていると、
ドンと現れた三枝さんが目を輝かせながら私の目の前に座る。
「最近ですか?
寝返りが打てる様になって、コロコロ転がるようになったら夜泣きが凄いみたいです」
「見たいって。随分他人事ね」
「夜担当は私じゃないんで。
それに睡眠不足は肌に悪いじゃないですかぁ」
プンプンと怒りながら唐揚げを頬張る。
三枝さんは一瞬驚いた顔をしたが、
「旦那さん、夜見てくれるんだ」
私の唐揚げを奪いながら言った。
「当然じゃないですか‼︎自分の子供ですよ‼︎
それに旦那じゃないですからね‼︎」
三枝さんのお弁当に入っていた卵焼きを奪おうとフォークを伸ばす。
「当然なんだけどね。
なかなか実際にやってくれる人は、まだまだ少ない見たいよ」
三枝さんがお弁当ごと中に浮かせ、私の卵奪還作戦は失敗する。
「そうなんですかぁ。
でも、次の日仕事がある私と無職のあいつじゃぁ、無職の人間が見るのは当然じゃないですかぁ‼︎」
「働いてないの?」
「フリーで働いてるとは言ってますけどね。
フリーなんて、働いてなければ無職と一緒じゃないですかぁ‼︎」