言いましたが、 違います‼︎


それなのに、それだけなのに、
私って偉くないですかぁ?

「お家に帰って、永太郎が夜に備えて仮眠をとってる間に、慎太郎にご飯を食べさせたりちゃんとやってますぅ。
外で仕事してるだけで、“疲れた”だの“外で仕事してるんだ”、“家で子供を相手してるだけでいいんだから、楽だよな”とか“誰のお蔭で生活出来てると思ってるんだ”なんて言ってませんし、思ってもません」

モラハラ連中と一緒にしないで下さい!
っていうか、今どきそんな事言っちゃう男なんています?

「意外とまだ生息してるみたいよ」
「昭和からアップデート出来てない残念な人がまだいるんですねぇ」

ねぇ〜

三枝さんと二人で大袈裟に話をする。

「いい、根津。良い旦那を育てるのは妻じゃない。親が子供に教えておかないといけない事なのよ。外に出た時に困らない様に。これが合言葉よ」
「了解です」

三枝さんに敬礼で答える。

「まぁ、うちの会社にそんなバカはいないと思うけどね」
「ですよねぇ〜」

三枝さんの話に乗る。
これで、話が逸れたはず!

では、仕事に戻りまぁす と立ち去ろう。

急に三枝さんが私の腕に巻きつく。

「近況報告を楽しみにしているわ」

ニコッと笑っている。怖いんですけど!

「あぁ、良い酒のツマミが出来たわ」

何か言っていますが、聞き取れなかった事にしておきましょう。

< 61 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop