言いましたが、 違います‼︎
「天気が良かったから、大きい物を洗って、せっかく畳んだのに、慎太郎が突撃した痕跡だよ。
しかも、うちの子天才みたいで、“ダメ”と言う言葉を理解したみたいで。
ダメって言うと突撃するんだよ」
その時の様子を身振り手振りで表現する永太郎。
それが面白いのかキャッキャと喜ぶ慎太郎。
私まで楽しくなって笑いだす。
「笑い事じゃないよ‼︎寝たと思って片付けを始めれば起き出すし、大人しくしてるかと思えば悪戯してるし。
ホント目が離せないんだよ‼︎これで、歩き出したと思うと、ゾッとするよね」
「それが成長している証拠なんじゃないの」
前に永太郎が言ったセリフを持ち出すと
「そうなんだろうけどさぁ」
と不服そうに言う。
「世界中の母親に金一封を贈るべきだと心から思うね」
「今どき、誰か一人に押し付けるのもどうかと思うけどね」
「そうだよね」
「そういえば、今日三枝さんがね」
家族はチームなんだ
と言っていた話を永太郎に聞かせる。
永太郎は、茶化す事も否定する事もなく、ただ私の話を絶妙なタイミングで相槌を打ちながら聞いてくれた。
「三枝さんに最後に取っておいた唐揚げ取られた」とか
「遠くで女子社員がこっち見てクスクス笑ってた」とか
話が脱線しても
「今度また作るよ」とか「女の世界は怖いねぇ」とか相槌を入れても咎める事なかった。