言いましたが、 違います‼︎
「ママを見た瞬間に、パパはこの人と結婚するって思ったんだよ」
パパからよくそう聞かされていた。
でも、よくよく考えてみれば、ママからの話は聞いた事がなかった。
「だって、動物の事しか話さないのよ。てっきり動物関係のお仕事をしているかと思うじゃない‼︎
ママのお家では動物なんて飼った事もなかったのよ。そんな人と結婚なんて考えられないでしょ」
可愛い少女の様なママ。
確かにお嬢様だったママが率先して動物の世話をしている今がおかしい。
「結婚して、仕事もひと段落したら、田舎に大きな土地で思う存分動物を一緒に生活しましょう」
それがプロポーズで、がっかりした。
ママは、苦笑いをしながら言う。
でも、それは心底嫌がっているとは感じ取れなかった。
「お爺様を覚えてる?お爺様は、全部お婆様にやって貰わないと何も出来ない方だったのよ。
家事も育児も全部お婆様がやっていて、本当に大変そうだったのよ。
そんな人とは絶対に結婚しないって思ってたわ。」
だから、思ったのよ。
動物の世話をするなら、子供の世話もするだろうって。
ママの感は、当たるのよ。
それにパパはママの話をいっぱい聞いてくれるし。
ドキドキした恋はなかったけど、パパと結婚して心から良かったって思ってるわ。