言いましたが、 違います‼︎


そう願っていると「あぁ」と言う何かを思い出したかの様な専務の声が聞こえた。

違う。欲しい回答はそれじゃない。

顔を上げると、いつも通りの専務の顔と頭に手を当てるサイボーグ葉山が立っていた。

「根津さんの待遇につきましては、斉藤部長に一任しておりますので、私どもからは特に何も言う事はありません」

それに、当の本人は気にしていない様ですし

サイボーグ葉山が専務に冷たい視線を送る。

「実は今日はお伺いしたい事がありまして」

サイボーグ葉山が専務の前にある紙を見ると、どこからかやってきた坂本さんが

「これって根津さんですよね」と紙を私に見せた。

確かに私だ。
いつのだろう?
一緒に写っているのは、ハイジ?

て事はこの前両親に会いに行った時ので・・・

いつ撮ったんだ?
しかも人の許可なしに公開してるんじゃないわよ。全面に私の顔が出ていないからいいけど、見る人が見れば私だと一目瞭然じゃないか!

これはタダじゃおかない。

怒りが沸々を沸いていく中

「これを撮ったのは、進藤 永太郎さんではありませんか?」

専務に聞かれる。

「あのバカ、何かやらかしましたか?申し訳ありません。キツく言い聞かせますので」

と土下座の勢いで頭を下げる。

なんで私があいつの為に頭を下げなきゃいけないんだ!覚えてろよ!

頭を下げているとクスクスと笑い声が聞こえた。
顔を上げると、口元を押さえたサイボーグ葉山と不思議そうな顔で私を見る専務がいた。

私は何かを間違えたみたい。
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