言いましたが、 違います‼︎
2
「それは迷惑だからやめてね」
今まで誰もいなかったはず。
声のする方を見る。
木々があるだけで誰もいない。
「誰もいないじゃない。
幻聴?それとも森の妖精?」
なんているわけないじゃん。
「ぶっつ」
思いっきり笑われた。
やっぱり誰かがいる。
「どこにいるのよ‼︎出てきなさいよ‼︎」
テレビCMのようになってしまったじゃないか!
草むらの中からシロアリではなく、1人の男。
こんな男、私の周りにはいない。
私の周りは、ボルゾイやサルーキのような洗練された大型犬の様。
こんなシャーペイいうかブルドックというか
犬なら絶対にかわいい。
でも、人としては残念な部類。
一緒にしてしまったシャーペイとブルドックに謝りたい。
私の気のせいか。
そう思って終わらすつもりだった。
こんな所に人がいるなんて思わないじゃない!
っていうか、
「歩道から外れた場所は立ち入り禁止でしょ‼︎」
事前に確認したサイトに書いてあったもの。
勝手に立ち入る人がおるから、生態系を壊すのよ!
「生態系を壊すとか大袈裟だから。それにちゃんと許可取ってるに決まってるじゃん」
ブサ犬男が近づいてくる。
近くに来ると意外と背の高い男だった。