言いましたが、 違います‼︎


慎太郎にミルクをあげつつ、オジ様二人の方をしっかりとみた。

「はじめまして。根津 美紗都です。訳あって、永太郎さんと一緒に暮らしております」

改めて挨拶をする。

「父の雄太郎(ユウタロウ)です。確か、以前」

やっぱり覚えておりましたか

「スドウで秘書をしておりました。その節はお騒がせ致しました」

もう一度頭を下げる。
「やはり」と呟いたお父様。

「父の琥太郎(コタロウ)に妻の加奈、娘の桜です。こちらこそ、騒がしくて申し訳ない」

目を輝かせて、ミルクを飲む姿を見るお祖父様。

「やってみます?」

その目力に押されて、聞いたみた。

「いいのか‼︎」と言う嬉しそうなお祖父様の声と「はぁ」と言う驚愕の永太郎の声が重なる。

私は立ち上がり、ミルクを飲み続ける慎太郎をそっとお祖父様に抱かせた。

「ミルクさえ飲めれば、誰でもいい」

そう言わんばかりに、ミルクを飲み続ける慎太郎。やっぱり大物になるわ。

懸命に飲む慎太郎が飲みやすいように、お祖父様をサポートしつつ、永太郎を見る。
頭を抱えている。

「なんだ、この状況は‼︎」
と言ったところだろうか?

それは私が一番思っている。

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