言いましたが、 違います‼︎
「サインしろって言われて、はいわかりました。って言うと思った?これ、婚姻届だよね。
するわけないじゃない、バカじゃないの」
「ずっと一緒にいてくれるって言ったじゃん‼︎一生面倒見てくれるって‼︎」
「言ったわよ‼︎
でも、それはあんたとじゃなくて慎太郎との事でしょうが‼︎」
「慎太郎と一緒って事は僕と一緒って事でしょうが‼︎」
「だからと言って籍を入れる理由にはならないでしょうが‼︎」
「入れないと、美紗都ちゃん逃げるじゃん‼︎」
「逃げないわよ‼︎」
「なら良いじゃん‼︎」
なんだこの会話は。
私はもう一度大きくため息をつく。
「あんたにはプロポーズする演出ってモノはないの。こんな人に言えないプロポーズ、あり得ないんだけど‼︎」
「大丈夫。三枝さんなら爆笑してくれる」
「何が大丈夫よ‼︎確かに三枝さんは爆笑でしょうよ。でも、話す相手が三枝さん限定ってどうよ。
もっと、こうロマンチックに出来ないわけ?」
永太郎はポンと手を叩く。
今、気づくな!
「それは・・・ちゃんと考える。
だから、とりあえずこれを書こうか」
「それはそれ、これはこれ。じゃないのよ‼︎
プロポーズされて、両親に挨拶してって色々流れってものがあるでしょうが‼︎
それが何?なんで全部飛ばして入籍になるのよ‼︎」
「えっ‼︎美紗都ちゃんはそういうの気にするタイプだったっけ?」
わざとらしく驚いた顔をした永太郎だが、すぐに
「まぁ、いいじゃん。お互いの両親にもあった事だし。意外に乙女なんだね、かわいい」
と言い放つ。