言いましたが、 違います‼︎
第3章

1-1


「で、最近どうなの?」

一人でお弁当を食べていると、ドンと現れた三枝さんが目を輝かせながら私の目の前に座る。

「最近ですか?あいからずですよ」

なんだぁとつまらなそうに私の唐揚げの頬張りながら言う三枝さん。

三枝さんのお弁当の卵焼きに狙いを定めながら、
「そういえば、私入籍しました」

と言うと三枝さんの動きが止まる。

今がチャンスと卵焼きをゲットする。

「えっ‼︎ホントに‼︎」
「はい。なので、戸籍上は進藤ですけど、会社では根津のままなので、今まで通りよろしくお願いします」

三枝さんの卵焼きを頬張りながら頭を下げると、「こちらこそ」と三枝さんも頭を下げた。

「いつの間に、そんな事になってるのよ‼︎やだぁ、もうぅ‼︎」

私を叩きながら言う三枝さん。
痛いです。

「なので、今度家に来ませんか?」
「行く‼︎絶対行く‼︎生永太郎をこの目で見たい‼︎」

三枝さん、目が輝いてます。

「よかったら、皆さんでいらして下さい。
健くんと豪くんに旦那様も一緒に」
「えっ‼︎いいの?」
「永太郎も皆さんにお礼を言いたいって言っていたので、皆さんに迷惑をかけた分、しっかりともてなすように言っておきます」

三枝さんは一瞬驚いた顔をしたが、すぐに笑顔に変わる。

「根津がもてなしてくれるんじゃないの?」
「なんで私が?」

首を傾げると、三枝さんも同じように首を傾げる。

「確かに私が三枝さんたちにご迷惑をおかけしましたけど、慎太郎に関しては根源は永太郎です。
だから、私じゃなくて永太郎が悪いんじゃないですかぁ‼︎
それに関しては私も被害者です」

胸を張って言うと、三枝さんは楽しそうに笑いながら

「やっぱり今の根津、好きだわぁ」

とまた私を叩いた。


だから、痛いですって!
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