言いましたが、 違います‼︎
よく晴れた日曜日の午後。
玄関のチャイムが鳴る。
玄関を開ければ三枝一家が立っていた。
「どうぞ」と招き入れると、
「ます」と頭を下げる健くん。
かわいい。
行儀よく出来たのも挨拶だけで、遠慮なく入っていく子供に三枝さんも旦那さんも苦笑いをしている。
「どうぞ」と改めて招き入れ、中に案内する。
「いらっしゃい」
にこやかに慎太郎を抱きながら、皆を歓迎する永太郎。
「その節は大変お世話になりました」と頭を下げ「大した事は出来ませんが、今日は楽しんでいってください」と頭を上げる。
にこやかに笑う永太郎、固まる旦那さん。
「あっ‼︎和(カズ)だ‼︎」
「“あっ‼︎和だ‼︎”じゃないですよ‼︎
今までどこにいたんですか‼︎
生きてるなら、生きてるって連絡して下さい‼︎」
「便りがないのが元気の証拠って言うじゃん‼︎」
「翔(カケル)は知ってるんですか?」
「さぁ?知ってるんじゃない?」
「“さぁ”じゃないですよ」
二人の会話に私と三枝さんが顔を見合わせる。
「知り合い?」「さぁ」
目と目で会話してしまった。
もういいです!
と和さんはどこかに電話をする。