言いましたが、 違います‼︎
なんなの?と永太郎を見れば、
さぁととぼけた顔をしている。
この顔、ムカつく。
何が起こるかわかっていて、わかっていないフリをしている顔だ。
「ここは私の家なんだから、勝手な事をしないでよ‼︎」と念を押しても
「わかってるよ」といつも通り軽い変事が返ってくる。
嫌な予感しかしない中、子供たちと戯れあって30分もしない内に、またチャイムが鳴る。
「私が出ます」
と和さんがいそいそと玄関の扉を開けた。
凄い勢いで入ってくる強面な男性。
何をやらかした?
と子供たちを庇うように座り直しながら、永太郎を睨みつける。
永太郎の胸ぐらを掴む強面の男性。
部屋中に緊張が走った。
でも、この人どこかで見た事がある気がする。
三枝さんをみると、三枝さんも同じ事を思っていたようで、子供たちの前の座りながら
「この人って、葉山のお兄さんじゃない?」
と小さな声で言った。
思い出すのも恥ずかしい出来事で記憶から抹消しようとしていたのに!
思わず、子供達の方を見て、遊びの続きを始めた。
「生きてるなら、連絡ぐらいよこせ」
「え〜。でも、写真を父さんたちに見せたの翔でしょ。
だから、いいかなぁって思って」
「なら、それについてお礼の連絡をしろよ」
男たちの会話が続く。