言いましたが、 違います‼︎


「余計な事をしたんだから、お礼を言う筋ないでしょ」
「定期的に親父から連絡が入る俺の身にもなれ」
「それは知らない。
でも、あのお陰で美紗都ちゃんと結婚出来たから感謝はしてるよ」

私に話を振らないで!

「あぁ、それも連絡が来た。和解したようだな」
「うん。全部、美紗都ちゃんのおかげ」

やめてー

願いも虚しく、自己紹介が始まっていく

「私の妻の真波(マナミ)と息子の健と豪」

健くんが上手に挨拶をしている。
可愛いから絶対見たいけど、そちらを向けない。

「皆さん、お知り合い?」

空気を読んでくれた三枝さんが私の代わりに話を進めてくれる。

「うん。幼馴染だよ。世間って、狭いね」

ほんわか夫婦が会話してるよ。

三枝さんの顔は覚えていないようで

「はじめまして。葉山 翔です」

とサイボーグ葉山の兄が頭を下げている。

三枝さんがクスクスと笑っている。
これは絶対に楽しんでいる。

「存じております」

ニコッと笑う三枝さんに、男3人は不思議そうな顔をしているに違いない。

「葉山 健(タケル)秘書のお兄様ですよね。先日はお疲れ様でした」

社会人らしく頭を下げる。

「あぁ、スドウのとこの」

思い出してしまったようだ。

「おともだち?」

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