言いましたが、 違います‼︎
1-2
いつの間にか子供の輪から抜け出した健くんが会話に加わっている。
「ママと一緒にお仕事している人のお兄さんよ」
三枝さんが健くんに説明している。
「そっかぁ。じゃぁ、ミサトちゃんといっしょだね」
健くん、にこやかに爆弾を落とさないでほしい。
「サイボーグ葉山って、健の事だったの‼︎」
おいコラァ、余計の事を言うんじゃない!
サイボーグに反応して、三枝さんが笑いを堪えているじゃないか!
女は度胸。
覚悟を決め、「その節はお騒がせしました」と振り返りながら頭を下げた。
「あー」と翔さんが私を指差す。
「秘書愛人‼︎」
永太郎が手で口を隠し驚いている顔をした。
あれは絶対に笑いを堪えている。っていうか、「そんな子じゃない‼︎」とあんたが一番に否定しなさいよ!
「はいぃ」
誰が、愛人じゃぁ!と睨みをきかせる。
「あぁ、ごめん。ウチの先生があんたの事を秘書愛人って呼んでいたもんでつい」
三枝さんも笑いを堪えている。
いや、笑いが漏れているんですけど!
三枝さんも睨む。
あぁ、可笑しいと涙を拭きながら説明を始める。
先日行われた創立パーティの打ち上げで【山神(ヤマガミ) サトサイン会】が行われた。
その時、
私の事を[ 秘書愛人]と呼んでいた事。
本当に愛人ではなく、愛人ポジションと認識。
敵意バチバチだった割には何もしてこなかったからワザと消しかけた事。
「はっ?」
「つまり天才山神の手の中で、遊ばれてたって事」
「なにそれ。恥ずかし過ぎるんですけど」