言いましたが、 違います‼︎
床に座り込み下を見ていると、健くんと豪くんがヨシヨシと頭を撫でてくれた。
慎太郎もやってきて、私の膝の中に入り込む。
「慎太郎ぉ」
と抱き締めると、「あー」と言いながらペタペタと私を叩く。
「慎太郎も慰めてくれるの?ありがとう」
「あんたホントに同一人物?」
不審そうに言う翔さん。
「同一人物じゃなかったら、こんな態度取ってないと思いますけど‼︎」
自分のテリトリーで事が進んでいるのがいけないんだ!
頭が仕事モードに切り替えらない。
「美紗都ちゃんは、素直ないい子だよ」
今更フォローしても遅いんだよ!
永太郎を睨みつけ、「皆にお茶を配れ」と指示をする。
「はーい」と元気よくキッチンに向かう永太郎を見ながら、翔さんも和さんも唖然としていた。
「アレもあんなんだっけ?」
「私も理解が追いつきません」
「初めて会った時からあんなんですよ」
私はあんたと違ってちゃんとフォロー出来るんだから、と会話に加わったものの、二人は納得してくれなかった。
「そういえば、お家にお伺いした時も皆さん驚いてましたね」
「理想の男性をゲットする為に頑張ってただけなんだよねぇ」
永太郎が私の代わりに、あの時の私の状態を説明する。
「社内でマウント取るのは良くなかったけど、独身なんだもん。
いい男を手に入れたいって気持ちはわからなくないわね」
気持ちを理解して頂きありがとうございますと三枝さんに頭を下げる。
「それに、今ならわかるわ。葉山が回してくる仕事量の多さ。あれは異常だわ」
どこか遠くの方を見ながら言う三枝さん。
その向こうに今にも泣きついて来そうな坂本さんが見える。