言いましたが、 違います‼︎


「そんな暇ありませんよ。
まぁ、売られた喧嘩は買ってましたけどね。
そこそこの御曹司と付き合っていたんで、あわよくばって女がうじゃうじゃ湧いてきてましたから」
「そうなんだ」

男どもの呆れた声を出す。

三枝さんだけは楽しそうにグイグイくる。

「その彼と結婚しようと思わなかったの?
御曹司でしょ‼︎」
「彼、大学外部受験したんですよ。
そしたら、サークルにのめり込んじゃって。それがヤリサーだったんですよ‼︎
ありえないでしょ‼︎速攻別れてやりましたよ‼︎」

憤慨する私を「まぁまぁ」と三枝さんが慰めてくれた。
でも、私の怒りは収まらない。

「大学の時の彼も、いい感じの好青年だと思ったんですけど、就活の時に「働かなくてもお金あるんでしょ」とか言うんですよ‼︎
絶対パパのお金目当てじゃないですかぁ‼︎思い出しただけでムカつく。
ようやく理想の相手を見つけたのに、行動に移す前に横から持ってかれるし‼︎今はこれだし‼︎」

永太郎を指差し
「私、男運ないんですかねぇ」と三枝さんに泣きつく。

「美紗都ちゃん、ヒドイ」

悲しむフリをする永太郎。

「いい、根津。理想の相手なんていないの」

今度は和さんが「えっ」と声を出す。

「だから、育てるの‼︎」

三枝さんは子供たちを見ながら言う。
私も慎太郎を見て「頑張る」と力強く言った。

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